ミャンマーを愛さずにはいられない
コンコンコン
土曜の夜、家でご飯を食べていたら誰かがノック。いきなり人が訪ねてくることはよくあるが、外国人女性一人暮らしの身としては、多少怖い部分もある。「はーい」と声だけ返事してみると(勿論インターホンなどは無い)、「お姉ちゃん!」と子どもの声。(ミャンマーでは知らない人にも兄妹として呼び合う)
子どもだったら良いかと思い、ドアを開けてみると、、
何とも可愛らしい女の子が二人立っている。何かイベントがあった時の様なドレスを着てお化粧して。そしてミャンマーでよくあるシルバーの三段お弁当箱を抱えて。ハロウィンか?
ん?
戸惑う私に姉妹がミャンマー語で何か言いながらお弁当箱を差し出す。
え?私に??
拙いミャンマー語と、英語で何度も何度も確かめるが、やはり私へのお弁当箱の様だ。
は、配給!?
中には何が?と尋ねてみると、
「オノカウソエ」(ミャンマーで有名なココナッツベースのヌードル)
私がミャンマーで一番好きな料理じゃないか!しかも夕飯終わりかけだったが、もう少し何か食べたい気分だったし、素晴らしい!
有難く頂くことにしたが、お弁当箱をどうやって返せば良いのか。そもそもその姉妹がどこから来てるのかも分からないし(上の階に住んでいるらしいことはジェスチャーで何とか分かった)出前風に、玄関前に置いておけば良いのか?と考えを巡らせていたところ、姉妹も議論の結果、今返してくれと言っている様だ。
ちょっと待って、と言って、三段弁当箱を開けて中身だけお皿に移す。まぁ何ときれいに入れてくれてるものか。
お弁当箱と、何かお礼をと思い日本から買ってきたプレッツェルをとっさに差し出す私。こういう時、するめとかおつまみばかりで子どもたちにあげられる様なものがないことを悔いた。
姉妹は、はにかみながら去っていった。
何のために私に配給してくれたのか分からないが、きっと何かのお祝いで近所にもご飯を分け与え様ということだったのだろう。
中々突然のことで驚いたが、とても温かい気持ちになった。何ともミャンマーらしい。
日本にしばらく帰ってたから、久々のミャンマーにカルチャーショックをまた受けるのかなと少し心配していた自分もいたが、今回は自分の想像以上にミャンマーの日常にすっと溶け込み、むしろ安心している自分がいた。
やはり、ミャンマーは人の力がすごい。改めてそう思い、この国が益々好きになった瞬間。
届けてくれたエンジェル姉妹。オノカウソエは言うまでもなく最高に美味しかった。
ありがとう。