【衝撃】ミャンマーの試験期間の実態
本日はヤンゴンの事務所から、学校図書館プロジェクトの事業地の一つであるタヤワディというところに移動。
トラックの荷台に乗って3時間、、
クラクションやら土ぼこりやらデコボコ道やら関係なく、電話で忙しく喋り続ける現地スタッフと共に、ひたすら移動。
まぁでも現地の方たちは、こんな状態で乗っているので、それに比べたら100倍快適だ。良く言えば、ミャンマー版オープンカーの様なものだ。
しかし、さすがに到着した時には、ヘトヘト、髪もゴワゴワ。(いつもは普通の車での移動だが、この時は諸般の事情により特別にトラック移動)
と、まぁミャンマーの道路及び交通事情についてはまたの機会に。
さて今日は、事業対象である学校訪問が目的。
目的地の学校に到着すると、あれ?何だか様子がおかしいぞ。
学校なのに、洗濯ものが沢山干してある!あれ、何だか炊事もしている!(写真は掲載出来ないが、その横では女子たちが入浴まで!)
一体何が、、
実は今は、高校最終学年(こちらではGrade10と呼ぶ)の修了試験の時期にあたり、その試験準備にあたり学校に生徒たちが泊まり込んで勉強しながら試験準備に挑んでいたのだ。試験直前強化合宿!とでも言うのか。
本学校がある地域はタヤワディというヤンゴンから3時間程度にあるミャンマーの所謂地方都市だが、高校の修了試験が受けられるところは同地域内で3校のみ。そこに全地域から1,700人程度の生徒が集まり、一斉に試験を受けるそうだ。この試験開催校の生徒は、通常通り試験期間中も自宅から通えば良いのだが、問題は試験開催校以外の学校の生徒、特に開催校へのアクセスが悪い地域に住む生徒たちだ。
その生徒たちは、開催校に行くのだけでも一苦労。そこで、開催校の近くの学校に泊まり込みで、最後の試験勉強の追い込みを行いながら試験に挑むのだそうだ。親も学校に泊まり込みで炊事洗濯等を行うとのこと。本日訪れた学校も普段は小学校なのだが、この試験中は遠くに住んでいる高校生たちに学校を開放しているとのこと。この学校は公立の小学校だが、この時期は寺院学校も学校を開放するそうだ。
正に地域全体で生徒たちの勉強を全面的にサポートする仕組みがそこにはあった。
ちょっと実際に学校の中の様子を覗いてみた。
文字通り、寝ながら学習している女子生徒たち。自分の高校時代の部活部屋を思い出さなくもない。
こちらが男子生徒用スペース。普段はこの壁もないオープンな空間で、小学生が皆で勉強している。
この学校には80人ほどの高校生が合宿真っ最中だそうだが、そのうち35人が男子とのこと。女子の方が若干割合が多い。(ミャンマーでは女子の方が比較的進学率が良く、テストの成績等も良い。大学進学のための必要スコアも大抵女子の方が高い。)
こちらが女子用スペースで、この左側のつい立ての中で皆寝ながら学習している。写真に写っているのは、これから学校の校庭?で入浴に向かう女子生徒たち。
いやぁ驚いた。
ミャンマーの高校終了時の最終試験は、その先の進学先がこの試験結果でほぼ全て決まるため、生徒自身は勿論、親、学校にとっても超重要なのである。大学入試は無く、この試験結果により、その先の進路が決まる。
そして更に驚くべきことに、この試験の合格率は約30%(教育省調べ)と、とてつもなく難しい試験であることが分かる。(ただこのデータの分母が、受験者数なのか、高校最終学年の在籍者数なのか、確認の必要あり)そして、高等教育機関への就学率は、たったの12%である。
この運命を分ける試験がどれだけ重要かが分かる一つの場面が、子どもの試験中に学校の側で待つ親の数を見ても分かる。ちょっと見にくいが、こちら。写真右側奥に、バイクと共に立って待っている親の行列が出来ているではないか。
警察まで出動して交通整理にあたっている状況だ。
それほど、この高校最後の試験は重要なのだ。教育熱心なこの国での、この試験、、本人たちからしたら、相当なプレッシャーだろう。
ミャンマーの試験への熱は異常と聞いていたが、その一部を今日は垣間見れた気がした。
この試験という一度しかないチャンスで全てが決まるなんて、、
しかもそれがどれだけ公平なものであるのだろうか。それで決められる若者の未来。
若者よ、万一この試験でつまづいてもどうか将来を諦めないでくれ。チャンスは沢山あるから!
と、そっと語りかけたくなる気にもなった。